鵞足(がそく)とは、大腿部（もも）の内側から膝の内側にかけて付いている筋肉の「縫工筋（ほうこうきん）」、「薄筋（はっきん）」、「半腱様筋（はんけんようきん）」の３つが脛骨（すねの骨）の内側に付着しており、その付着している形状が「ガチョウの足」に見えることから「鵞足（がそく）」と呼ばれています。その鵞足と呼ばれている部位の周囲に炎症が起きることを鵞足炎と言います。

鵞足に炎症が起きる理由の一つに、膝の使いすぎ(オーバーユース)が挙げられます。

鵞足炎の主な症状は膝の内側の痛みです。膝から5センチほど下がった内側に痛みがでます。

鵞足炎は、膝の内側部分に付着している筋肉の付着部の滑液包(かつえきほう)が慢性的に炎症を起こしている状態です。滑液包はゼリー状の袋で、関節の骨と軟骨の間にあり、摩擦を軽減させる役割があります。炎症症状のため、圧痛（患部を押した時の痛み）や熱感が出ることもあります。

運動では、歩行時、走行時、階段の昇り降りなどの時に、「ズキズキ」した痛みが膝の内側にでます。特に足を地面に着けるときに痛みを感じやすいと言われています。

また、痛みのほかに引っ掛かるような違和感が出る場合もあります。

初めの頃は違和感から始まり、準備運動をすることで楽になりますが、膝に負担がかかる動作を繰り返すことで、違和感が再発します。悪化すると、準備運動をしても楽にならず、痛みを感じるようになり、さらに進行すると運動が困難になります。

症状が進行すると、何もしていなくても、うずくような痛みを感じることもあります。

鵞足炎の主な原因は、膝の曲げ伸ばしを頻繁に行うことによるオーバーユース（使いすぎ）によるものです。野球、サッカー、陸上競技、バスケットボール、水泳の平泳ぎなどで膝の曲げ伸ばしを連続して繰り返していると発生しやすく、特に膝から下を外側にひねるような動作を頻繁に行うスポーツに多く見られます。スポーツだけでなく日常生活でも、膝の曲げ伸ばし動作を繰り返すと鵞足炎を発症します。

その他の鵞足炎の原因としては

・サイズや形が合っていない靴を使用している

・準備運動や、ケア不足

・筋肉の柔軟性不足

・競技中のフォーム

・膝を怪我したことがある

などが挙げられます。

鵞足は縫工筋、薄筋、半腱様筋の３つの筋肉がまとまってくっついているため、負荷が集中しやすく、炎症を起こす要因になります。

西多摩郡瑞穂町あい整骨院の鵞足炎に対する施術方針は、まずは鵞足炎を起こしてしまった経緯などを詳しく問診させていただきます。

炎症を起こすということは、繰り返し同じ場所に負荷がかかっているということです。そのため、なぜ炎症を起こしているのかを突き止めることが症状を繰り返さないために重要です。問診では、痛みなどの症状のほか、日常生活や競技、お仕事のことなどもお伺いします。その後、身体の確認をさせていただき、身体の使い方の癖や筋力などの確認をします。

問診や動作分析をしたあとは、炎症症状に対する施術を行います。

炎症症状がある期間は、患部は触らず、アイシングや電気療法、抗炎症作用のある湿布等を用いて炎症の抑制をします。また患部である鵞足や膝に負担がかからない膝の使い方を指導します。さらに、患部をかばい対側の脚などの筋肉の緊張がみられることがあるので、更なるケガの防止や、早期の復帰を視野に対側のケアも行っていきます。

炎症症状が治まった後は患部周辺に対して施術をおこないます。患部周辺の筋肉は硬く固まってしまっているので、電気療法や徒手療法で筋肉に直接アプローチしていきます。主にアプローチしていく筋肉は、「縫工筋」、「半腱様筋」、「薄筋」です。この三つの筋肉は鵞足を構成する筋肉のため、最優先でアプローチを行います。

また、膝の痛みの原因の多くに、股関節の関節可動域の狭さがあります。その場合、股関節の動きに関与する「大殿筋」や「中殿筋」、「ハムストリングス」にアプローチを行い、股関節の関節可動域を拡げていきます。股関節の可動域を拡げることで膝への負担も減ります。その際、ストレッチやトレーニングも行うことでしなやかで力強い筋肉を作ることができ、ケガの防止やパフォーマンス向上にもつながります。

また、鵞足炎は繰り返し負担がかかることで発症します。そのため、日常生活でのケアが非常に重要です。西多摩郡瑞穂町あい整骨院では、ご自宅で簡単にできるケア方法や栄養に関するアドバイスもしています。

膝の痛みや違和感でお悩みの際には、西多摩郡瑞穂町あい整骨院までご相談ください。